97 – 落ち葉でそりとメキシコ料理

林の間伐と、落葉樹の落ち葉を使った草ソリのワークショップをおこないました。


フォレストでは、その季節に最適なことや場所を探すことから始めます。今回のプログラムは、林に落葉樹の落ち葉がたくさん落ちていることから、これを使って何かできないかと思い、スロープになっているところで落ち葉の草ソリをすることにしました。

まず、事前に草ソリができそうま良い角度の斜面をいくつか選んでおきました。正味2時間のプログラムの中で、最初の1時間は草ソリをするための斜面を作るために木を切ったり、落ち葉を集めたり、斜面の土をならすなどの作業を行います。まず小さい子供や初めての子供のために、緩やかな角度の斜面でソリをしましたが、あまりスピードが出ないので面白くないとのことで、もっと急な角度の斜面を見つけてスロープを作り直し。小学校低学年の子供を対象に考えていたけれど、未就学児もう喜んで滑りに来ました。

ところでフォレストでは、事前の危機管理、危険回避を重視しています。プログラムを始める前に、服装のチェックをします。長靴や長ズボン、長袖、帽子の着用をすることで、転んだりした場合のケガや、蜂などの虫から身を守ることができます。また今回草ソリ体験に際しては、子供用のヘルメットの着用を勧めました。今まで大きなケガがなかったことはその様にな服装などの危険回避が有効であったことがあると思います。
それから危機管理、危険回避のために大切なことは、余裕を持ったプログラムだと思います。プログラムではあれもしたいこれもしたい、あれもしなければこれもしなければと、やることを増やしてしまい成果を求めると、作業が過密になってしまい、気持ちに余裕が無くなって、事故や疲労の原因になってしまうということを経験的に学んだ気がします。だからフォレストのプログラムの中では電動の機械などはできるだけ使わず、ノコギリで木を切るなど、できるだけ手で作業をする様にしています。そうすることによって、人間のペースで作業ができるので気持ちに余裕ができます。電気の力が入ると作業が進みすぎて人の気持ちが作業に追いついて行かず、なんだかとても疲れます。電気の力が入った方が作業の成果は上がるかもしれませんが、自分たちの力でやったという満足度は下がる気がします。フォレストが求めるものは「成果」ではなく、あくまでもそこで感じたり味わえる体験、気持ちなのだと思います。

またフォレストでは危険回避のために事前に準備は大事にしますが、でもあまり事前に準備をしすぎないことも大切だと思います。今回の草ソリでは事前に場所をいくつか選定しておきましたが、事前に邪魔な木を切ったりすることはせず、木を切るのは当日の参加者の大人や子供達の仕事としてとっておきました。そうすることによって参加する大人や子供達が当事者意識を持って作業ができ、自分たちが草ソリ場を作っているという意識が持てて、ああしたらいいこうしたらいいと様々な意見を出してくれたり創意工夫をしてくれるようになります。あまり事前にスタッフがやりすぎるとそんな前向きな気持ちが引きだせず受け身になって、参加者は「お客さん」になってしまいます。その結果達成感が感じされず、結局プログラムに対する満足度も下がってしまうのではないかと思います。

最初に作った緩やかな草ソリスロープもやがて誰も見向きもせず、みんな急なスロープに集まってきてしまいました。しばらくそれで遊んでいましたが、さらに上の方の斜面も整備して、さらに長いスロープになりました。その結果さらにスピードがでるようになり、最後まで滑り切ることは至難の技になって途中で転ぶ子供達が続出しました。しかし転んだ時にこそ、子供たちの最高の笑顔がみられます。うまく最後まで滑れればそれはそれで楽しいのですが、子供たちは途中ですってんころりんと転んでしまうところが一番楽しい様です。普段の生活ではあまり思いっきり転ぶことはないですが、枯葉の上なら思いっきり転ぶことができるし、ダイナミックに転ぶことが一番スリルがある様です。そんな思い切り大胆に失敗できるのも自然の良さだし、だからこそ事前の服装チェックや装備が大事になってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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