デザイン基礎2 無形のデザイン+メディアデザイン

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期間:3週間

担当:石井晴雄、宮崎喜一(非常勤講師)

課題:個人またはグループで、5分以内で

場所: 学内の任意の場所で行為や、参加性を伴った表現をおこなう。

表現例

体験する、演出する、状況をつくる、参加できるしくみをつくる、現象をつくる、火・水・音・風など現象を使う、作法・方法を考える、お話をする、どこかへ連れて行く、食べる・飲む、時間、空間を設定する、遊びを考え実践する、歌う・踊るなどの参加型の表現など

趣旨

現代は消費文化が成熟し、物があふれ、必要なものはほとんど持っているのではないでしょうか?ですから新しいものを作ってもなかなか売れない時代になっています。現代のようにモノが充足した時代では、人の意識はモノではなく、コトにシフトしています。例えば現在、世界的な旅行、観光ブームがおこっていますが、モノが充足した時代ではモノを買うのではなく新しい体験をしたい、よその土地や国の人と交流をしたいといったコト消費、体験型消費、交流消費に消費形態が変わってきています。またモノや情報があふれていますが、人と人の関係や地域の人たちのコミュニケーションは希薄になっていると言われています。そのような時代の変化の中で、デザインはどうあるべきでしょうか?この課題では、そのような時代背景の中でモノではなくコトをいかにデザインするか、参加や交流をいかにデザインするかをテーマに考え、実践します。

ポイント

1、世界観を創造して明快にデザインしよう

この課題では広い空間で多くの人数を相手におこなうため、シンプルで明快で、瞬時に「おもしろい」と思わせる何かが必要になります。広い空間で多くの人に何かを伝えなけえばならない状況では、細かい説明などはできません。やりたいとこをシンプルにして、ビジュアルやコスチュームなどを使ってわかりやすく直感的に伝えること、明快な世界観を創造して人々をその世界に引き込むことが大切です。

2、デザインの力をトータルに使おう

現在のデザインの世界では扱う媒体が増え、また映像、音声など動的な媒体も増えています。それらの多様な媒体やアイテムや手法を駆使し、人、もの、音、ビジュアル、空間、しつらえなどをトータルに考えデザインしよう。

3、その場で、そこにあるもの、状況を生かそう

デザイナーはその場の状況、条件との対話によって最適な答えを出す必要があります。いくらよいモノがあってもまわりの状況や環境が整わなければデザインしたモノを生かすことはできないし、逆に状況や環境に助けられることも多くあります。その場で、そこにあるもの、状況を生かしてデザインを考えましょう。

 また今まで価値がないと思っていたものに、デザインの力で新たな価値を付加することもできます。情報革命、生産、流通革命によって現在ではさまざまなモノやコトを地域で生産、創造することができるようになってきました。マスメディア、マスプロダクトによって作られた一元的なモノや価値観ではなく、自分たちの土地でそこにある潜在的な資産を再発見し、そこでしか味わえない、そこでしか体験できないもの創造してゆくことが新しい価値や豊かさにつながるのではないでしょうか?

評価ポイント

[トータルにデザインされているか]媒体、コスチューム、セリフ、キャラクター、音響、音楽とのマッチング

[状況]地形、光、状況などその場の状況を生かしているか。

[人]コスチューム、キャラクター、言葉遣い、表情 

[空間]状況設定、よい場所を探す、よい時間をさがす

[世界観]一貫した世界観、イメージがあるか、ネーミング、ストーリー性

[モノ]小物、小道具、サイン、ロゴマーク、ロゴタイプ、しつらい

キーワード

新しい驚き、ワクワク、ライブ感、リアル感、動的、変化、イマ・ココでしかできないこと、予測不能なこと、共有、交流、関係、パーソナル、ローカル、手作り感、ストーリー性

補足、注意

・よい仕事はよいプロセスから。事前のチェックから表現までプロセスをしっかりしよう。

 プラン → チェック → 試作制作 → チェック → 表現

・表現の時間は授業時間外でもよい。

・事前に表現内容、場所について報告し、それ以外のことをおこなったり、違う場所でおこなったりしないこと。

・決められた場所以外には立ち入らないこと。 

・危険なところに行ったり危険を伴う行為などは絶対にしないこと。

参考  http://www.aigei-media.com   無形のデザイン

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