あなた・わたし・みんな てんこもり

愛知児童総合センターの委託により「コミュニケーションの機能としての祭り」をテーマとして、2ヶ月にわたって、地域の子供を対象として仮装、フェイスペインティング、音遊び、体遊び、パレードなどによる、参加型のクロスメディア的な体験を提供した。

2007年3月18日-5月13日
毎週土日開催、計18回開催
愛知児童総合センター、愛知県長久手市
委託:愛知県児童総合センター(財団法人愛知公園協会)
企画、ディレクション:石井晴雄(環境メディア研究会)
研究協力者:樋口仁、野呂有里、浦雅子、伊藤美穂、船橋一華他
撮影:本田千穂、内藤祐子、石井晴雄


コミュニケーションの機能としての祭り
毎週土日に2ヶ月にわたって愛知児童総合センターで「あなた・わたし・みんな てんこもり」の企画、運営をおこなった。愛知児童総合センターから出されたテーマは「コミュニケーション」、出した答えは「祭り」だった。祭りは音、体、色、形、時間、空間を伴った総合芸術であり、言語を超えた個と個、個と全体のコミュニケーションの場だ。その場では時間軸上で 様々な行為や異装、空間の変化をおりまぜ、普段人間が身につけているペルソナ(社会的人格)を取り去り、自我の殻を破り、精神を解放して無意識のレベルでのコミュニケーションをを目指した。「てんこもり」では常に時間、空間の様々な変化と抑揚をもたせ、集中と拡散、意識の変容、神話的な物語性、象徴性、参加意識を参加する子どもたちに感じてもらい、飽きさせないように工夫した。
このイベントでは、長期間にわたって実際にイベントを運営して行く中で、様々な実験と経験知が得られた。そして参加してくれた多くの子供たちやご 父兄の皆さん、そして関わってくれた30名を超えるスタッフのみんなと楽しい時間、空間を共有できたことがなによりの収穫であった。


1-変身 13:30-14:00
スタッフの触れ太鼓によって、てんこもりはスタートします。そして一斉に変身の開始です。段ボールや絵の具で仮面やペンダントを作ったり、泥や絵の具でフェ イスペインティングをしたり、カラフルな色とりどりの布を自由に使ってはちまきやたすきにしたり、腰にまいたり、髪の毛を結んだり、みんな鏡をみながら真剣に変身です。お父さん、お母さんも一生懸命手伝ってくれます。


2-音あそび 14:00-14:30
変身が終わったら、「竜のねぐら」に入って音あそびです。竹や空き缶、鈴などをスタッフの太鼓や笛、ディジュリドゥーに会わせて叩きます。リズムに会わせて叩いて行くうちに、みんなの気持ちが一つになって、気持ちもだんだん高まってゆきます。


3-竜の目覚め 14:30
いよいよ竜に目覚めです。ひときわ太鼓が大きく響くと、女性のスタッフが棒で、竜に見立てたカラフルなロープを降ろします。竜がおろされたらみんなで竜を持って外に連れ出します。さしずめ「竜のねぐら」は胎内、竜は天と地を結ぶヘソの緒です。


4-パレード 14:30-14:40
いよいよみんなそろって「竜のねぐら」を出てパレードです。太鼓の音に合わせてかけ声をかけたり、鈴を鳴らしたりして館内を練り歩きます。会場のみんなも注目しています。


5-体遊び 14:40-14:50
ひとしきり館内を巡ったら、外に出てたき火のまわりで輪になります。そして色とりどりの旗を振って風を呼んだり、シャボン玉を追いかけて遊んだり、思いっきり体をつかって遊びます。春の晴れた日の野外はとても気持ちがよいです。


6-竜のねぐらへ帰る 15:00-15:10
体遊びが終わったら、また竜を持って太鼓の音に合わせてパレードしながら「竜のねぐら」に帰ります。「竜のねぐら」に帰ったら、ぐるぐる回って竜を降ろします。それから女性スタッフが棒を使って竜を元のねぐらに返します。それからみんなもつけていた仮面や衣装、リボンを外します。外した仮面や衣装、リボンはねぐらのあちこちにぶら下げます。それらは会期が進むにつれてどんどん増えていってとてもにぎやかになってゆきます。その日のプログラムが終わっても、スタッフたちはまだ音を出したりして遊んでいます。だれよりも一番子どもなスタッフなのでした。


7-どんど焼き 1520-
最後の日には、それまで使った全ての仮面や布を燃やしてどんど焼きをして、祭りを締めくくりました。


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