大学院美術総合研究 メディアアート・メディアデザイン

クロスメディア的にトータルに考える

媒体が多様化している現在においては、単一の情報伝達、宣伝広報媒体のみでユーザーに訴求することはもはや困難であり、それぞれの媒体の特性に最適な情報を掲載すると同時に、媒体間の連動性こそが重要になっている。
石井研究室の美術総合研究メディアデザインではwebサイトや各種紙媒体、映像、イベント、キャラクターデザイン、 ソフトなプロダクツ、参加型のプロジェクトなど、トータルな視点で多様な媒体やコンテンツをその特性に合わせて相互に連動させるクロスメディア的な視点で研究をおこなっている。

地域からの情報発信、 地域に根ざした持続的な活動、公共性

石井研究室では、特に地域の観光情報提供や農産物振興、伝統工芸の新興など、公共性の高い分野で、webデザイン、ディレクション、イベント企画などについて実践的に研究・活動をおこなっている。
地域においてはそれぞれ独自の歴史や風土、環境があり、それらの独自性を掘り下げてそこから情報を抽出し、最適なデザインにおとしこむことが必要になる。石井研究室ではそのモノや場とそれに関する情報やイメージを一体で考え、地域のアイデンティティーの醸成や情報発信、地域のコンテンツの研究などについて、長期的な視点で研究をおこなっている。

ネットワーク、コミュニケーション、コラボレーション

石井研究室では近隣の自治体とのコミュニケーションをとおして持続性のある長期的な活動をおこない、地域の実情にあったデザインを目指している。また地域の人々や行政、外部スタッフとの共同作業とネットワークによって、実践的で広がりのあるプロジュエクトをおこない、その結果、学生と実社会との人材の交流やマッチング、ネットワーク化を進めている。また学生同士の活発な議論やコラボレーションも奨励している。

先進性

現在は常に新しい手法や考え方、価値観が生まれている。石井研究室ではwebデザインにおいてはWordpressなどのCMSを使用したり、 スマートフォンサイトやGPSを用いたGeolocationの機能を観光サイトへ応用し、スマートフォンからPCブラウザまでマルチでバイス化に対応するレスポンシブウエッブデザインを導入するなど、デザイナーやプログラマーと共同で先進的な制作、研究をおこなっている。またキャラクターデザインなど地域からの情報発信に有効な媒体や、地域の情報発信におけるSNSの役割についても研究をおこなっている。

個性、発信力、発想力

インターネットの時代においてはインターネット上のあらゆる情報は検索可能であり、比較可能な状態にある。そのような時代いおいては他者とは違う個性や真似のできない独自性、創造性を発揮することが重要になっている。また現代のインターネットの時代には様々な情報の受信、発信が可能になり、個人の可能性は拡張されている。そのような時代においてまず自身で考え、発想し、主体的に行動する意志が重要になってくる。さまざまなことが可能になる環境があっても、人間自身の意志がなければ何もおこすことはできない。石井研究室ではコンテンツを創造し、情報を発信する人間自身のヒューマンな力を重視している。

実践的に考える

デザインは実学であり、実社会においてその作品や媒体、製品を利用してもらうことによってこそ、多くのフィードバックを得てることができる。そしてそのフィードバックをもとに検証し、さらに改良することによってデザインの「強度」を向上させることができる。現在は多様なオンデマンド生産技術やweb制作・公開の環境が整い、学生と言えども単なるデザインプランに留まることなく実施デザインにまで持っていける環境が整いつつある。石井研究室では実践的なデザインプランをできる限り実社会で展開し、多くのフィードバックを得ることを推奨している。

>授業の記録

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