知多半島ケーブルテレビネットワーク 地域のお宝発見「マルトモ探検隊」

投稿者:

2016年度映像学会中部支部第3回研究会発表
2017年3月7日(火)13:30-
愛知淑徳大学長久手キャンパス

愛知県常滑市教育委員会、美浜町、南知多町教育委員会、武豊町の地域の小学生と、様々なフィールドワークと体験型ワークショップによって地域の魅力を発見し、ケーブルテレビを通して紹介することを通して、子供のメディア・リテラシーの向上と、地域の情報発信の手法の開発と実践について発表した。


知多半島ケーブルネットワーク「地域のお宝発見、マルトモ探検隊」
-地域における子供による情報発信の効果-
石井晴雄(愛知県立芸術大学)
米島竜雄((株)第二制作)

「マルトモ探検隊」は知多半島ケーブルネットワーク株式会社と愛知県知多半島の常滑市、美浜町、南知多町、武豊町の4市町在住の小学生たちが共同で「地域の魅力(=お宝)を発信する」テレビ番組シリーズである。制作した番組はケーブルネットワークの放送エリア(常滑市、美浜町、南知多町、武豊町)で毎日2回、30 分番組として放映されている。
制作のプロセスは以下の通りである。

  1. 地域の小学生4 〜6 年生3 〜6 人程度の「探検隊員」を募集。
  2. 「探検隊員」が行きたいところ、体験したいことの希望を聞く。
  3. 実際に体験取材することができる場所をスタッフが事前にヒアリング、ロケハンをおこない、候補を絞り込む。
  4. 探検1日目に隊員たちと実際に行く場所や体験することを決め、取材、インタビュー、レポート撮影を2カ所程度おこなう。
  5. 探検2日目も2カ所程度取材、インタビュー、レポート撮影を行う。
  6. 3日目はそれまでの探検(=体験取材)の模様を編集した映像を試写し、2日間の体験レポートの中から印象に残ったことや場所を絵と短い文章にして発表する。
  7. 編集をおこない、ナレーションを録り、放映する。

マルトモ探検隊は事実を正確に伝えること、体験を通して伝えること、子供たちが自分のイメージと言葉で伝えることに留意して制作している。地域の子供たちがその地域の人たちのところへインタビュー取材に行くことによって、地域の住民も「地域の子供達に地元の良さを知って欲しい」という気持ちから、積極的に取材に応じてもらえる効果があった。また子供達が実際のテレビ番組の制作に参加することによって、現場の緊張感を味わうことができた。また、子供は何事にも率直に反応するので、リサーチやロケハンによってできる限り子供の素直な反応が引き出せる場所や体験、取材対象を選び、子供たちの率直な反応を引き出してそれを映像に収めることが、番組全体に活力を与える結果になった。

http://jasias.jp/wp-content/uploads/2017/07/JASIAS_NewsLetter179.pdf

print

Print Friendly, PDF & Email